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本人確認書類の画像が漏えいしたときの対応ガイド|免許証・マイナンバーカード・パスポート

運転免許証やマイナンバーカード、パスポートなどの画像が漏えいしたとき、すぐに再発行が必要とは限りません。まず何が漏れたのかを確認し、名義冒用や詐欺への備え、書類ごとの手続、実害が出た場合の相談先まで順に見ていきます。

安全・セキュリティ個人情報・データ

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このガイドで学べること

読み終わるころに分かること

  • 通知が来たら、最初に確認しておきたいこと
  • 「これは個人情報保護法違反なの?」と思ったときに
  • 現物は手元にある。画像だけ漏れたときにできること

通知が来たら、最初に確認しておきたいこと

本人確認書類の画像が漏えいしたと聞くと、「免許証を作り直した方がいい?」「マイナンバーカードは止めるべき?」「もう誰かに悪用されている?」と不安になると思います。

ただ、画像が漏れたことと、カードや旅券の現物を紛失したことは同じではありません。 すぐに再発行などの手続きを始める前に、まずは何が起きたのかを確認しておきましょう。

  1. 事業者から届いた通知を残しておく。 メールや郵送物、公式サイトのお知らせ、対象者番号、問い合わせ番号、通知日などは保存しておきます。後から内容が更新されることもあるため、公式サイトのお知らせはスクリーンショットやPDFで残しておくと確認しやすくなります。
  2. 事故の内容は公式サイトや公式アプリで確認する。 メールやSMSに書かれたリンクをそのまま開くのではなく、普段使っている公式サイトや公式アプリから確認します。情報漏えいの直後は、その事業者を装った偽メールやSMSが送られてくることがあります。
  3. 自分のどの情報が漏れたのかを確認する。 「本人確認書類が漏えいした」という説明だけではなく、運転免許証の表面・裏面、顔写真、住所、生年月日、免許証番号、マイナンバー、パスポート番号、署名欄など、何が対象になっているのかを確認します。
  4. 本人確認書類以外の情報も対象になっていないか確認する。 メールアドレス、電話番号、ログインID、パスワード、決済情報なども漏れている場合は、それぞれ別の対策が必要です。パスワードが対象になっている場合は、同じパスワードを使っているサービスも含めて変更します。
  5. 「可能性がある」のか「実際に漏えいした」のかを分けて読む。 事業者の調査途中では、「漏えいした可能性がある」「漏えいを確認した」「不正利用は確認されていない」など、似ているようで意味の違う表現が使われます。通知に何と書かれているかを確認しておきましょう。

ここまで確認できれば、今すぐ対応した方がよいことと、慌てて手続きをしなくてもよいことを分けやすくなります。

「これは個人情報保護法違反なの?」と思ったときに

本人確認書類には、氏名、住所、生年月日、顔写真、各種番号など、本人確認に使われる情報がまとまっています。事業者がこれらを個人データとして扱う場合、個人情報保護法では、漏えい・滅失・毀損などを防ぐために必要かつ適切な安全管理措置を講じることが求められています。委託先に取り扱わせる場合も、必要かつ適切な監督が必要です。

また、個人の権利利益を害するおそれが大きいものとして規則で定められた漏えい等が起きた場合は、個人情報保護委員会への報告と本人への通知が必要になります。本人への通知には、事案の概要、漏えいした情報の項目、原因、二次被害のおそれなど、本人が身を守るために必要な情報が含まれます。

では、漏えいが起きた時点で「違法」「罰金」と決まるのでしょうか。漏えい事故が発生したという事実だけで、直ちに違法・罰金と決まるわけではありません。 個人情報保護委員会も、漏えいそのものを直接処罰する罰則があるわけではないと説明しています。

実際に法令上の問題があったかを見るには、安全管理措置が十分だったか、委託先の管理に問題がなかったか、事故を把握した後に必要な報告や本人通知を行ったか、といった点を個別に見ていく必要があります。義務違反があれば、個人情報保護委員会は報告徴収・立入検査、指導・助言、勧告・命令を行うことができます。命令違反や報告徴収への虚偽報告など、法律で別に定められた行為には刑事罰が科される可能性もあります。

被害を受けた側としては、「違法だったのか」だけを聞くより、何が漏れたのか、事業者はいつ把握したのか、第三者へ渡った可能性はあるのか、二次被害をどう見ているのか、自分に何を勧めているのかを確認した方が、その後の対応を考えやすくなります。

損害賠償や個別の法的責任まで判断したい場合は、事故の内容によって結論が変わるため、弁護士などの専門家へ相談してください。

現物は手元にある。画像だけ漏れたときにできること

カードや旅券そのものは手元にあり、画像だけが漏えいした場合は、まず名義冒用と、漏れた情報を使った詐欺に備えます。

事業者を装う連絡に注意する

氏名、住所、電話番号、利用しているサービス名まで知っている相手から連絡が来ると、本物の案内に見えやすくなります。

「補償のため」「本人確認のやり直し」「カード停止のため」などと言われても、メールやSMSのリンク、添付ファイル、相手から案内された電話番号をそのまま使わず、公式サイトや公式アプリから問い合わせ先を確認してください。

警察庁は、警察官を装って「あなた名義の口座が犯罪に使われている」などと告げる詐欺にも注意を呼びかけています。相手が自分の氏名や住所を知っていても、それだけで本物とは判断できません。

信用情報機関の「本人申告」も確認できる

クレジットやローンなどで自分の名義を使われることが心配な場合は、信用情報機関の本人申告制度があります。

  • CIC は、本人確認書類の画像が流出した場合について、本人申告の手続きで会員会社へ注意喚起できると案内しています。
  • JICC は、運転免許証等の現物が手元にあっても画像などの情報が流出した場合、「名義の悪用防止」の本人申告コメントを登録できると案内しています。
  • 全国銀行個人信用情報センター も、本人確認書類の紛失・盗難・漏えい等により名義を冒用される可能性がある場合の本人申告制度を案内しています。

ただし、これらは加盟会社が審査などを行う際の注意喚起・参考情報です。登録すれば悪用を完全に防げるわけではありません。 信用情報機関によって加盟先や利用される場面も異なるため、使う場合は各機関の最新案内を確認してください。

身に覚えのない契約や請求がないか見る

クレジットカード、携帯電話、銀行、後払い、ローンなどについて、申し込んだ覚えのない契約・審査・請求・本人確認の連絡が来ていないかを確認します。

画像が漏れたからといって、すべての金融口座を解約する必要があるわけではありません。実際に異常が見つかったサービスから対応する方が現実的です。

相談した内容は残しておく

事業者、警察、信用情報機関、金融機関などへ相談したら、日付、窓口、受付番号、説明された内容をメモしておきます。後から不正利用が分かったとき、事故からの流れを説明しやすくなります。

運転免許証の画像が漏れたとき

運転免許証の画像には、氏名、住所、生年月日、顔写真、免許証番号、有効期限など、本人確認に使われる情報がまとまっています。そのため、画像が漏れた場合は名義冒用への注意が必要です。

ただし、警察庁が案内する免許証の再交付は、主に免許証を亡失・滅失・汚損・破損した場合の手続です。現物の免許証が手元にあり、画像だけが漏れたという理由で、全員が直ちに再交付しなければならないという一般的な案内ではありません。

現物が手元にある場合は、身に覚えのない契約や審査連絡に注意し、不安が強ければCIC・JICC・全国銀行個人信用情報センターの本人申告制度も確認できます。

一方、免許証そのものも紛失・盗難に遭っている場合は話が別です。画像漏えいへの対策とは別に、警察への届出や都道府県公安委員会の再交付手続を確認してください。

事業者から「再交付を推奨する」と案内されている場合は、なぜ再交付を勧めているのか、旧画像がどのような場面で悪用されるおそれがあると見ているのかも聞いておくと、判断しやすくなります。

マイナンバーカードの画像やマイナンバーが漏れたとき

マイナンバーとマイナンバーカードは、分けて考えた方が分かりやすいです。

デジタル庁は、マイナンバーを他人に見られたり漏えいしたりしても、マイナンバーだけで手続を行うことはできず、直ちに情報を引き出したり悪用したりできるものではないと説明しています。

カードそのものをなくした場合は話が別です。マイナンバーカード総合サイトでは、紛失時の機能一時停止を24時間365日受け付けています。現物を紛失・盗難した場合は、一時停止、警察への届出、市区町村での再交付手続を確認してください。

画像だけが漏れ、カードは手元にある場合に、現物紛失と同じ停止手続を一律に行うとは限りません。まずは、カード表面だけなのか、裏面のマイナンバーまで含まれていたのかを確認します。

マイナンバーは原則として生涯同じ番号ですが、デジタル庁は、マイナンバーが漏えいし、不正に用いられるおそれがあると認められる場合には、本人の申請または市区町村長の職権で変更できると案内しています。

つまり、「漏れたら必ず番号を変える」という手続ではありません。不正利用のおそれが気になる場合は、漏えいした内容を伝えて市区町村の窓口へ相談してください。

パスポートの画像が漏れたとき

パスポート画像には、氏名、生年月日、顔写真、旅券番号、有効期限などが含まれています。画像が漏れた場合は、なりすましや本人確認情報の悪用に注意し、必要に応じて信用情報機関の本人申告や、不審な申込み・連絡がないかの確認を行います。

外務省が案内する「紛失一般旅券等届出書」による失効手続は、パスポートそのものを紛失・盗難した場合の制度です。現物が手元にあり、画像だけが漏れた場合まで、一律に紛失届を出して失効させるよう案内されているわけではありません。

パスポートそのものも紛失・盗難している場合は、警察へ届け出たうえで、国内では都道府県の旅券窓口、海外では日本大使館・総領事館で紛失届の手続を行います。

画像だけが漏れた場合でも、再発給や失効が必要なのか不安であれば、旅券窓口へ「現物は手元にあるが画像が漏えいした」と事情を伝え、現在の制度でどの手続が必要か確認してください。

身に覚えのない契約や請求が出てきたら

「漏えいしたかもしれない」という段階と、実際に自分の名義を使われた形跡が出てきた段階では、対応が変わります。

次のようなことがあれば、様子を見るだけではなく、該当する事業者へ確認してください。

  • 申し込んでいないクレジット、ローン、携帯電話などの審査・契約連絡が来た
  • 身に覚えのない請求書、督促、利用明細が届いた
  • 自分が作っていないアカウントについて本人確認の連絡が来た
  • 金融機関やサービス事業者から、不審な本人確認や取引について連絡が来た
  • 警察や公的機関を名乗る者から、「あなた名義の口座・契約が犯罪に使われている」などと連絡が来た

ただし、最初に確認したいのはその連絡自体が本物かどうかです。相手から示された連絡先ではなく、金融機関・事業者・警察の公式サイトに載っている窓口から確認してください。

実際の不正契約や犯罪利用が疑われる場合は、関係する事業者へ不正利用を申し出て、必要に応じて警察へ相談します。緊急の事件・事故ではない警察相談には #9110 が案内されています。消費者契約や事業者とのトラブルについて相談したい場合は、消費者ホットライン 188 から地域の消費生活センター等につながります。

金銭、ローン、携帯回線、銀行口座など、被害が出た場所によって必要な手続は異なります。「本人確認書類が漏れたから全部同じ対応をする」のではなく、実際に不正利用が起きた契約先ごとに、取消し・停止・調査を求めていくことになります。

事業者の説明が分かりにくいときは、ここを確認する

事故のお知らせを読んでも「結局、自分は何をすればいいのか分からない」ということがあります。その場合は、次の点を事業者へ確認してみてください。

  • 自分の情報は「漏えいした可能性」なのか、「漏えい確認済み」なのか
  • どの本人確認書類が対象で、画像は表面・裏面のどちらなのか
  • 氏名、住所、生年月日、顔写真、各種番号など、具体的に何が対象なのか
  • 第三者への外部送信や窃取が確認されているのか
  • 公開・販売・不正利用などの二次被害が確認されているのか
  • 利用者に勧めている対策は何か、なぜその対策を勧めているのか
  • 追加調査の結果をいつ、どの方法で知らせる予定なのか
  • 不正利用が分かった場合の専用窓口や、補償・調査の方針があるのか

個人情報保護法上、報告対象となる漏えい等では、本人への通知に事案の概要、漏えいした情報の項目、原因、二次被害またはそのおそれなどが含まれます。ただし、事故の調査中は、最初からすべてが分かっているとは限りません。最初のお知らせだけで結論を出さず、続報も確認してください。

また、事故の直後に「本人確認のため」として、新しい本人確認書類の画像をメール添付で送るよう求められた場合は、その依頼が本当に正規のものか確認してください。漏えい対応を装ったフィッシングで、さらに情報を渡してしまうおそれがあります。

タイムズカーの事例で見る「漏えい」と「悪用」の違い

2026年のタイムズカーWebシステムへの不正アクセスでは、同社は運転免許証画像などの本人確認書類が漏えいしたアカウントが約160万件に上ると公表し、対象者へ個別に案内しました。

2026年10月23日の第5報では、同社が把握する範囲で、漏えいした情報が売買・公開されていることを示す事実は確認されていない一方、フィッシング、なりすましによる申込みや問い合わせ、不正勧誘、個人情報の悪用などには注意するよう案内しています。

この事例を見ると、「漏えい確認済み」と「悪用確認済み」は別の話だと分かります。 本人確認書類が漏れた以上、何もしなくてよいわけではありません。一方で、悪用が確認されていない段階で、すでにあらゆる被害が起きていると考える必要もありません。

漏れた書類や情報、外部流出の状況、二次被害の有無は事故ごとに違います。そのため、このガイドではタイムズカーだけに当てはまる手続ではなく、ほかのサービスで同じような通知を受けたときにも使える確認方法を中心にしています。

不安でも、これは避けたい

本人確認書類が漏れたと聞くと、できることを全部やりたくなるかもしれません。ただ、慌てて動くことで、かえって確認が難しくなったり、新しい詐欺に巻き込まれたりすることもあります。

  • 通知メールのリンクから、そのまま追加の本人確認をする。 事故のお知らせは公式サイトや公式アプリから確認します。
  • 画像が漏れただけで、すべての本人確認書類を無条件に再発行する。 現物をなくした場合の制度と画像漏えいを分け、書類ごとの公式手続を確認します。
  • 「マイナンバーが漏れたら何でもできる」と考える。 マイナンバーだけで手続が完結するものではありません。一方で、不正利用のおそれが認められる場合の番号変更制度はあります。
  • 信用情報機関の本人申告を「これで絶対に悪用を防げる」と考える。 本人申告は注意喚起・審査上の参考情報で、完全な防止を保証する制度ではありません。
  • 事故通知の画像をSNSへそのまま投稿する。 会員番号、氏名、住所、問い合わせ番号などが写り込んでいないか確認してください。
  • 「警察」「消費者庁」「金融機関」を名乗る着信だから信用する。 漏えいした情報を知っている相手ほど、本物らしい話ができます。いったん電話を切り、公式窓口へ掛け直してください。

困ったときの相談先と、最後の確認

本人確認書類の画像漏えいは、パスワードのように「これを一つ変えれば終わり」という問題ではありません。

まず何が漏れたのかを確認し、名義冒用や詐欺に注意しながら、実際に異常が見つかったところへ対応していくのが基本です。現物をなくしている場合だけは、画像漏えいとは別に、その書類の紛失・停止・再発行手続も確認します。

主な相談先

  • 漏えい元の事業者:自分が対象か、漏えいした項目、二次被害、今後の追加通知を確認
  • 警察相談専用電話 #9110:名義冒用、詐欺、不正契約など犯罪利用が疑われるが、緊急通報ではない相談
  • 消費者ホットライン 188:身に覚えのない契約、事業者とのトラブル、どこへ相談すべきか分からない場合
  • CIC / JICC / 全国銀行個人信用情報センター:本人確認書類の画像漏えい後の本人申告や、名義冒用への注意喚起
  • 市区町村:マイナンバーが漏えいし、不正に用いられるおそれがある場合の番号変更など、マイナンバー固有の手続
  • 都道府県警察の運転免許窓口:免許証現物の紛失・盗難・再交付に関する手続
  • 都道府県の旅券窓口 / 在外公館:パスポート現物の紛失・盗難・失効・再発給に関する手続

ひと通り確認できたか

  • [ ] 事故通知と公式発表を保存した
  • [ ] 自分について漏れた書類と情報項目を確認した
  • [ ] パスワード・決済情報など、本人確認書類以外の漏えい有無を確認した
  • [ ] 事業者を装うメール・SMS・電話を警戒している
  • [ ] 必要に応じて信用情報機関の本人申告を確認した
  • [ ] 身に覚えのない契約・請求・審査連絡がないか見ている
  • [ ] 現物を紛失した書類がある場合は、その書類固有の停止・届出・再交付手続を行った
  • [ ] 実害や不正利用の兆候があれば、関係事業者や警察などへ相談した

ここで紹介しているのは、本人確認書類の画像が漏れたときの一般的な初動です。損害賠償、法的責任、特定の契約の無効・取消しなどは、事故や契約の内容によって判断が変わるため、必要に応じて弁護士などの専門家や公的な相談窓口へ確認してください。